元気に踊るゾー!

小原 金平

上野動物園のパンダがあれこれと話題になっているが、英語で動物園のことをzooと言う。もちろん象がいるからではない。zooも語源は「動物」である。昔アメリカ旅行をした時、あちこちの動物園へ行って楽しんだ。テネシー州メンフィスの動物園では私が「動物」だった。そばにいた子供が動物より日本人の方が珍しいのかじろじろと見た。

先日、自宅近くの動物園へ行った。ここは地上の動物だけでなく、鳥類や魚類も見ることができてよい。郷土の魚もいろいろと珍しいものが多い。特定の場所にしかいないドジョウをここで観察できる。魚に限らず小さい生き物は色もきれいで皆かわいい。

読書と空想と『楽しみ』と

中崎 崇志

前回このエッセイを担当したときは『ロジカル・ミステリー・ツアー』と題して,ロジックにまつわる話,ロジックを楽しむ話について書いた。今回はその逆で,『好き勝手に想像して楽しむ話』である。

読書に親しみ始めたのは,まずは絵本からだった。家には,今も読み継がれる『ぐりとぐら』シリーズ(中川李枝子・文/山脇百合子・絵)の『こどものとも』(福音館書店)があったし,『かこさとし・おはなしのほん』(偕成社)もあった。『かこさとし・おはなしのほん』は,今でも私が読んでいたのと同じものが書店に並んでいるから,『からすのパンやさん』と聞けば,ああ,あれか,と思い出す人も多いだろう。

大きくなるにつれ,『いやいやえん』や『ももいろのきりん』(いずれも中川李枝子作・福音館書店)などを経て,『フォア文庫』シリーズ(岩崎書店・金の星社・童心社・理論社共同出版)などの,活字の多い児童書が読書の仲間入りをした。「とにかく読むのがやめられない」という経験をしたのは,『兎の眼』(灰谷健次郎作・理論社)で,母が読もうと思って買ってきたその日,母が開く前にかっさらって夕方から読み始め,そのまま読破してしまった。

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鈴木大拙の英文について

川畑 松晴

鈴木大拙については、このホームページ上でも前に書いた。詳しくは、2006年5月号を参照していただきたいが、簡単にここでも紹介をしておく。 大拙は、明治3年に現在の金沢市本多町(北陸放送の裏手に生誕記念碑がある)に生まれ、昭和41年に95歳でなくなるまで、禅・仏教・日本文化の研究と普及に尽くした仏教学者「世界のダイセツ・スズキ」である。18歳で金沢に新しくできた専門学校(現在の高校に相当する)を中退したあと、小学校の臨時講師を経て、東京の早稲田大学や東大に在籍するが、そこでの講義に満たされず、徐々に禅の修行に傾倒するようになった。鎌倉の円覚寺に最初は通いで参禅し、22歳頃からは寺坊の一隅に住み込み修行僧となったのである。そして、縁あって、27歳でアメリカに渡り、印刷出版の助手を務めながら禅の研究を続け、結局11年余りをシカゴの近くのラサールで過ごし、帰国した時は39歳であった。その後は、学習院、大谷大学などで教鞭をとりながら、著作と講演を通じて上述の偉大な貢献を成したが、出版物・講演は英語によるものが約1/3であるといわれる。本稿では大拙の英文のほんの一端を紹介したい。

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ロジカル・ミステリー・ツアー

中崎 崇志

パズルが好きである。特に,数独(ナンプレとも言いますね)とかお絵かきロジックとか,『理詰めで解ける』という“ロジックパズル(論理パズル)”が面白い。 心理学実験では,自分が研究したい心の働きについて明らかにするためのロジック(論理)を組み立てなければならない。初めて心理学実験に触れた学生時代,曖昧模糊とした人の心を実験して確かめるとか,それを統計学を用いてロジカルに判定するというパラダイムにあまり抵抗がなかったのは,今ロジックパズルにはまるのと無関係ではないだろうと思っている。 え? ただ単に性格がリクツっぽいからだろうって? うん,それも否定しない(笑)。

先日,槻木先生の研究室の書架に,ある本を見つけて,唐突に高校時代の先生を思い出した。その先生は現代文の担当で,高校入学後最初の授業の冒頭に,こんなことを言い出した。

『今日は,まず私と賭けをしましょう。君たちのクラスで,同じ誕生日の人のペアはできると思いますか?』

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泉鏡花の翻訳

リック・ブローダウェイ(訳:中崎 崇志・小原 金平)

数年前,小原教授が,私に100年前の泉鏡花の戯曲『夜叉ヶ池』を一緒に翻訳しませんか,と持ちかけてこられました。「もちろんですよ」。私の返事はシンプルでした。そして,それが日本語を学び,そしてほとんどのアメリカ人が経験したことがないような経験をする機会になりました。大抵のアメリカ人と同様,私は泉鏡花について聞いたことがありませんでしたし,彼がどんな作品を書いたのかも知りませんでした。

まったく偶然にも,当時の私の家主だったナガエ・テルヨさんから,鏡花の最も有名な作品『高野聖 The Saint of Mt. Koya 』の英訳書を頂きました。ナガエさんは,アメリカの鏡花研究の第一人者であるチャールズ・イノウエ教授が,鏡花の一生についてまとめた本 “The Similitude of Blossoms ”を執筆するための研究をする間,空いていた彼女の別宅に受け入れました。彼女はまた,イノウエ教授の英訳書の出版にも一役買い,その英訳書の中の一冊を私にくれたのです。さらによかったのは,私が,鏡花を英語圏に紹介する仕事がたくさんおこなわれている家に住んでいたことでした。すばらしいタイミングだったとしか言いようがありません。運命の仕業だったのでしょう。

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