よしもとばななを英語で読もう ―『ムーンライト・シャドウ Moonlight Shadow』―

水井 雅子

「よしもとばなな」の書く小説は、日本語だけでも十分にオススメですけれど、今回は「彼女の作品を英語で読んでみよう、これ又なかなか良いですよ」というゴショウカイです。 彼女の作品の英訳本は何冊か出ていますが、これはそのうちの一冊で、2002年(初版1988)に日本文の下に英語が付いている本が出ました。訳者はマイケル・エメリック。これが良い訳なのです。先ず筋をざっと紹介しておきましょう。彼女の小説は、「死」に遭遇した主人公が登場するものが非常に多いのですが、これもそうです。

発展途上国と英語

川畑 松晴

発展途上国といわれる国々では、英語力とIT技能の価値が日本よりも格段に高いように思われる。少なくとも、私が近年訪ねているベトナムやカンボジアではそうである。いわゆるDigital Divide「情報の格差」に加えて、English Divideが生じている。コンピューターによる情報の授受ができるか否かによって経済的社会的格差が生じる現象が近年指摘されるようになったが、もっと古くから存在する「言語使用による格差」Language Divideの指摘があまり聞こえてこないのはむしろ不思議である。

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英語を学べば淑女になれる? ―『マイ・フェア・レディ』と『ピグマリオン』 ―

木梨 由利

『マイ・フェア・レディ』(My Fair Lady)というミュージカルをご存知ですか?ニューヨークでの初演は1956年ですが、ジョージ・キューカー監督のもと、オードリー・ヘプバーンとレックス・ハリスンが主演した同タイトルの映画(1964)は、作品賞、監督賞、主演男優賞などアカデミー賞8部門を受賞して、現在も多くの映画ファンに愛されています。「踊り明かそう」 (“I Could Have Danced All Night”)などのナンバーを聞けば、「ああ、あれか」と思い当たる人も少なくないのではないでしょうか。

オードリー・ヘプバーンが演じるのは、ロンドンの貧しい花売り娘イライザです。ある夜、劇場から出て来た人々に花を売りつけようとしていた時に、言語学者で発音矯正もするヒギンズ教授(レックス・ハリスン)に、彼女の乱暴なコクニー訛りは英語に対する冒涜だと非難されます。 「言葉が階級を隔てている」、「言語を矯正すればもっとよい仕事にもつける」という教授の言葉はイライザの心に残り、彼女は、ヒギンズ教授の指導を受けるべく、翌朝彼の住居を訪ねます。そこには、インドの方言の研究家で、昨夜の二人の出会いの時にも偶々居合わせたピカリング大佐が、客として滞在中です。「半年あれば社交界にも出られるような淑女にしてみせる」というヒギンズ教授の言葉を大言壮語と考えていた大佐は、二人のやりとりを聞いているうちに気持が変わり、もし本当に彼女を淑女にできればその間にかかる費用の一切と授業料を自分が払うという条件の賭けを提案します。

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「何故ここに来たんですか」の英文

中島 彰史

英語研修の引率でカナダに3週間近く行って来ました。その時いろんなことを発見しましたが、例えば市バスのドライバーに朝は決まってGood morningと挨拶をし、店のレジの人にはお釣をもらった時に決まってThank youと答え、レストランでメニューを持ってきてくれたらやはりThank youとお礼を言っている自分に気がつきました。日本にいる時は、上記の状況では何も言わないか「どうも」とか言ってお茶を濁す私ですが、海外に行くと挨拶を交わすのです。外国語だと、逆にスッとコトバが出てきやすいというのが理由の一つなのですが、その反面、そのコトバには内実が伴っていなくて表面的に過ぎないような気もします。反省すること大いにありです。閑話休題。

『アーサー王伝説』―魔法使いマーリンの未完のお仕事―

水井 雅子

ファンタジー文学がお好きな皆さん、もう『アーサー王伝説』は読まれましたか? 『アーサー王伝説』に登場する魔法使いのマーリンほど有名な魔法使いも、先ずおりますまい。実にさまざまなファンタジー作品の中に、(時代が違おうが場所が違おうがお構いなく)そのものずばりマーリンという名前で、又、少し名前を変えて、この魔法使いは登場してきています。皆さんは、それに気が付いたことがあるかしら?最近は、彼の少年時代に焦点を合わせた、長編ファンタジーもでています。何かしら、作家の心を誘う要素があるんですね、この物語自体が。 英語圏でファンタジーの本が好きな人にとっては、マーリンという音と魔法使いという意味は、そりゃもう、切っても切れません。これはもう、常識と言っても良いくらいです。マーリンとかマーリンを連想させる言葉が出てくると、その本を読むのが何かしら期待に満ちたものになる、というか、作者の遊び心に心惹かれて、その本を読む意欲が倍増していく、というか、そんなワクワク感もあるほどです。 え? マーリンについて聞いたことがない? 『アーサー王伝説』も名前だけしか知らない? じゃ、ちょっと触りだけ、ご紹介しましょう。