最もきれいな英語って

小原 金平

高校生の皆さん、もっともきれいな英単語は何でしょう? 昨年ブリティッシュカウンシル(British Council)が非英語圏の102カ国、合計4万2千人の人々に「あなたにとって最も美しい英語は何ですか?」と尋ねて調査し、その結果のトップ70位を発表しました。 それによると、トップテンはmother, passion, smile, love, eternity, fantastic, destiny, freedom, liberty, tranquilityでした。最後のtranquilityは難しい語ですが、「静かさ」と言う意味で芭蕉のセミを連想します。その他、主なものとしては、 peace(11位)、 serendipity(24位)、pumpkin(40位)、lollipop(42位)、bumblebee (44位)、peekaboo(48位)、kangaroo(50位)、whoops(56位)、oi(61位)、hodgepodge(64位)、fuselage(67位)、hen-night(70位)だったそうです。意外な結果だという印象ですが、擬音語・擬態語が多いのも特徴です。音そのものがおもしろいのでしょう。この関連では、他にもhippopotamus(52位)、 flip-flop(59位)などが出ています。ところで、61位のoiって何でしょう。イギリス英語で怒って相手の注意を引く時に用いる「おい」という意味です。日本語に似ていますが、日本語とは直接の関係はなく、偶然の一致のようです。70位のhen-nightも変な感じがしますが、金沢弁ではありませんので念のため。意味のわからない語は調べて楽しんでください。

愛すべきシングルトンの物語 ―『ブリジット・ジョーンズの日記』―

木梨 由利

「30代、シングル、恋人なし――世界中を共感と爆笑の渦に巻き込んだ、シングルトン小説の決定版!」日本語版の本につけられた帯のコピーです。これだけで、何の本かすぐおわかりかもしれませんね。 そう、今ちょうど映画で続編が上映中の、あの『ブリジット・ジョーンズの日記』のことです。

30歳をいくらか過ぎて一人身のブリジットの悩みは、周囲の人たちから、しじゅう恋人や結婚について聞かれることです。新年のパーティで、子どもの時に遊んだ仲であり、今や有能な弁護士になっているマーク・ダーシーに紹介されますが、お互いの印象は今一つ。間もなく、職場の上司のダニエル・クリーヴァーがアプローチをしてきて、親密な仲になるものの、恋人としての彼の誠意ははっきりせず、やきもきさせられてばかりです。折も折、彼女の母も、35年間の結婚生活を悔いて、他の男性の元へ走る騒ぎ。マークとはその後も何度か会う機会があり、次第に彼の本当の姿がわかってきて……。

ことばのないメッセージ 非言語的要素はおもしろい!

新村 知子

「目は口ほどに物を言う」という言葉があるが、初対面の人と話をした場合、その人が発する言葉以上に、目線、表情、体格、しぐさ、服装などが、その人の印象をより強く残したという経験は誰にでもあることであろう。

コミュニケーションにおいて、非言語メッセージの果たす役割がどの程度重要かは、研究者にとって意見の異なるところである。ある実験結果では、対人コミュニケーションにおいて言語メッセージが占める割合は 35 %程度、残りの 65 %は非言語メッセージによるそうだ。また、別の研究では、 7 %が言語、 38 %が音声の特徴、 55 %が顔の表情によるということである。この数字は驚くべき高さである。非言語的要素は、我々が考えるよりずっと重要な役割を果たしているのかもしれない。

では、我々が違う文化に属する人とコミュニケーションを取る場合に、自分の意図を適切に伝え、さらに対人関係を円滑に保つためには、どのような非言語的要素に注意したらいいのであろうか、少し考えてみよう。

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あなたにとって大切なものは何?

水井 雅子

ファンタジーの役割って、何だろう。社会が複雑に細分化され、物事が単純でなくなった現代に、これほど人々の心を捉える要素は何だろう。

『はてしない物語』で有名なドイツの作家ミヒャエル・エンデには、すばらしい物語が多くあるが、その中で、「時間どろぼうと、盗まれた時間を人間に取り返してくれた女の子の不思議なものがたり」である『モモ』(1973)を紹介したい。

主人公は、どこからともなく現れて、郊外の廃墟となった円形劇場に住みつくことになった10歳くらいの女の子、モモ。心温かい下町の人たちは、彼女がここに住めるようにしてくれる。髪はもじゃもじゃだし、着ているものは男物の上着に、さまざまな布を縫い合わせた長いスカートである。靴は雨の降る日だけ履くけれど、片方ずつが違っている。他には何も持っていない。モモは強制収容所的な施設から逃げ出してきたのだった。 でも彼女は不思議な子だった。彼女といると誰でも楽しくなるし、良い考えが思い浮かぶし、自信がわいたり、元気が出たりする。モモは、自分では話さず、その美しい大きな黒い目でじっと見つめて、ただ黙って人の話を「聴く」だけだったのだけれど。やがて大人も子どもも、いろいろな話をしたり、遊んだりするためにモモのところにやってくるようになる。特に仲良しになったのは道路掃除の老人ベッポと、観光ガイドの若者ジジで、モモは、ベッポの少し哲学的な独り言のような話に耳を傾け、ジジの語る色鮮やかな「お話」や「途方もない夢」に耳を傾けて、さまざまなことを学んだ。みんな幸せだった。

ビックスとカルプの美味しいお話し

川畑 松晴

BICSとCALPという用語に、第二言語習得論のある論文で出会ったときに、その軽やかな音の響きからあるものを連想した。疲れた頭に浮かんだのはビックス・ドロップとカルピスソーダだった。学生諸君はカルピスは知っていても、ビックスは聞いたことも、勿論食べたこともないであろう。ビックスは私の記憶では、赤・緑・白などのカラフルな色合いで、果物風味の固い飴玉(木梨先生はのど飴ではなかった?と言っておられたが※)。包み紙にはVicksと綴られていたかもしれない。それなら、Bで始まるbiscuitを連想してもよかったのに。でもいまだに、私の連想は甘い香りのドロップだ。カルピスとの相性はビスケットの方が良さそうなのにね。