上手にほめて,意欲を高める

中崎 崇志

昨年10月号の心理学コラムで,オペラント心理学の観点から,ほめること・叱ることについて紹介しました。今回はその続編です。ぜひ10月号の心理学コラムも合わせてお読みください。

さて,10月号のコラムで取りあげた『強化』は,『ある行動に後続して与えられ、その行動の生起確率(生起頻度)を高めるもの』で,それが与えられた結果『快』の状態になるか,もしくは不快な状態から脱することができる,と説明しました。強化された行動(強化の直前におこなっていた行動)は学習され,その行動が反復されるようになりますが,強化されなくなってしまうと,今度は徐々にその行動をやらなくなってしまいます。

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赤ちゃんと養育者との絆

前川 浩子

子どもが育つためには何が必要なのでしょうか。単に食べ物や飲み物といった栄養が与えられればそれでじゅうぶんなのでしょうか。

赤ちゃんとお母さんのあいだには、強い結びつきが生まれることが知られています。心理学者のハーロウは、「この結びつきが生まれるのは、母親が空腹やのどの渇きといった欲求を満たしてくれる存在だからなのか」ということを検証するために、実験を行いました。まず、アカゲザルの赤ちゃんが生後まもなく母親から引き離され、人形の「代理母親」と一緒に置かれます。代理母親は2種類あって、布でできた母親と針金でできた母親です。さらに、針金でできた母親の人形には、ミルクが供給されるように哺乳瓶が取り付けられました。つまり、布でできたあたたかく、やわらかい、でもミルクはくれないお母さんと、針金でできているけれど、ミルクをくれるお母さん。さて、アカゲザルの赤ちゃんは、どちらのお母さんを好むのでしょうか?

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医師の白衣を見て泣く子ども ―条件性情動反応

木場 深志

病院で、待合室にいる間は平気で遊んでいたのに、診察室に入ったとたんに泣き出す子どもがいます。子どもにとって、診察室はなぜ怖いのでしょうか。 1920年、ジョン・B・ワトソン(右の写真の人物)と彼の助手であったロザリー・レイナーの2人が、「条件性情動反応」という論文を心理学の研究論文誌に発表しました。その内容のうち実験の部分を以下に簡単に紹介します。

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ほめますか,叱りますか ―強化と罰―

中崎 崇志

先日おこなわれた赤川次郎氏の文学部特別講義。現代の社会情勢と犯罪の関係の話の中で、ある映画監督の書かれたものを引用して、こんな趣旨の話をされました。 「罰を与えるのではなく、幸福を与えなければ、社会は変わらない」 聴いていた皆さんはいろいろと感想をお持ちでしょうが、今回はこの言葉を導入に使ってみようと思います。

我々ヒトを含め、動物の行動は大きく分けていくつかの要因に支配されています。最もプリミティブなものから挙げていくと、走性→反射→本能→学習・推理のようになります(デシーア・ステラ, 1962)。例えば、夜、街灯や誘蛾灯に虫が集まるのは、光に対する走性=走光性があるからです。 行動は、高等な生物になっていくほど、より上位の要因が支配するようになります。ヒトの行動には、走性に支配されるものはありません。そのほとんどを学習(と推理)が支配しています。心理学では、学習を「経験(練習)によって生じる比較的永続的な行動の変容」と定義しています。

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ふとる人はどんな人?

木場 深志

まず、次のアンケートに回答してみましょう。それぞれの質問について、答えを1つだけ選んで○をつけてください

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