「良い休日を!」だって?おっと。「メリークリスマス!」ってつもりだけど。

リック・ブローダウェイ(訳:水井 雅子)


 イギリスもアメリカも他の英語圏の国々も、ますます多文化社会になってきているので、休日、特にクリスマスのような宗教的な休日についての問題がおきています。これらの国々には、全ての人々が友愛の精神でクリスマスを祝う、という長い伝統があります。本質的な問題は、クリスマスがもはや、これらの社会に生きる全ての人々にとって共通に祝われるものではなくなっている、ということなのです。例えばアメリカでは、多くの店がこの問題を避けようとして、伝統的な「メリークリスマス!」と言う代わりに、「良い休日を!」と言ったり、「季節のご挨拶」をお客様に言ったりするようになってきています。多くのキリスト教徒たちは、この傾向を「政治的公正 political correctness 」の一つの形だとして反発しています。キリスト教国家として、休日の本質と同時にこれらの国々の本質をも否定するものだということです。それに応えて、多くの店では最近、「熱を込めてメリークリスマス!とお客様に言う」ことで、「クリスマスにキリストを前面にだすことのないように」と従業員を指導しています。とはいうものの、これらの社会が伝統への尊敬と他文化尊重との間で妥協点を見つけるのに苦労しているのですから、この問題がそう簡単に解決されることはありそうもないですね。休日は、「違い」に目をつぶる機会としてずっと捉えられてきたのに、それが人々を分ける機会になってしまうというのは残念なことです。

 では、クリスマスの時期に人は何と挨拶したら良いのでしょうね、ニューヨークに住んでいるユダヤ系アメリカ人やロンドンに暮らすイスラム教徒のパキスタンの人には? 「西洋風」に、あるいは「ヨーロッパ人に」見える人たちにだけ「メリークリスマス」と言えば良いのですか? そりゃね、もしも話している相手の宗教を知っている場合は、ことは簡単ですよ。でも、知らなかったら? 見掛けだけではその人の宗教は判断できないし、するべきではないでしょう? 世界の主な宗教はどの国のどんな種族の人にも訴える力を持っています。だから、私の忠告は簡単です。 会った人誰にでも「メリークリスマス」と言いましょう、ただしこの精神で。重要なのは、この精神なのです。つまり、一年のこの時期は、人間にとってずっと特別でした。日はますます短くなり、暗闇が世界を覆うかのように思われる時期です。「この暗闇を抜けて、人間の精神が明るく、希望に満ちて輝いている」という気持ちを込めて「メリークリスマス」と言うならば、そうなら、あなたが挨拶する人を傷つけるなんてことはないと思いますよ。

 だから、この精神で言います。皆に「良いクリスマスが訪れますように!」と。
メリークリスマス!

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