時間に関する英語表現

リック ブローダウェイ (訳: 新村 知子)

 現代人は時間に取り付かれています。時間は、日、週、月、そして年に区分され、私たちはその時間を計画したり、節約したり、投資したりします。時間は、私たちにつきまといます――寝るときも、起きたときも。時計はいつもチクタクと音をたて、その針は常に動いています。時間は、世界の太鼓の鼓動のようなものです。

 こう考えてみると、時間に関連する表現が非常に多いということは、当然のことでしょう。そして、時間に関連する表現を覚えるには、そろそろ潮時 (high time) でしょう。というのは、今こそがそのチャンス ("There’s no time like the present.") だからです。

 まず、昔話では、時間はファーザー・タイム (Father Time) という名前の白髪の老人として描かれ、穀物を収穫するとき使う大がまを持っています。この大がまは、最後には生きているものを切り落とすという象徴的な意味を持っています。ファーザー・タイムは、時にはもっと恐ろしいがい骨の形をしていることもあり、この場合は名前もグリム・リーパー (Grim Reaper) と変わります。どちらのイメージも、わが子をむさぼり食う怪力の巨人であるギリシア神話の神、クロナス (Cronus) から来ていると考えられています。(ただし、これは、時という意味のギリシア語、 chronus との混乱から来た可能性があります。単語が非常に似ているので)その起源が何であれ、ファーザー・タイムは、私たち全員の毎日の生活を急がせている張本人です。古いことわざにあるように、「歳月人を待たず」 (Time waits for no man.) 。ですから、時間を無駄遣いするのはやめましょう ("Let’s not waste time!") 。

 「時は金なり」というメタファーは、英語では非常に影響力があります。ここから、多くの関連表現が生まれました。最初の段落で出てきたような  "spend time" (時間を使う)、 "save time" (時間を節約する)、 "invest time" (時間を投資する)などです。例えば、 "I enjoy spending time with friends." (友達と時間を過ごすのが楽しい。)や、 "Let’s save time by taking a taxi." (タクシーに乗って、時間を節約しよう。)のように使います。お母さんが子どもに向かって、「時間をうまく投資するように」 ("Invest your time wisely.") アドバイスをするのを聞いた人もいるかもしれません。

 お金と全く同じように、私たちの夢を実現するには時間はどれだけあっても足りないように思えます。この場合には、人は諦めて手を振り上げ、無駄な愚痴を言うことになります。 "So much to do, so little time!" (こんなにやることがあるのに、時間が全然ない!)と。

 現代は、時間節約のための便利な品々のお陰で、私たちの中には "free time" (自由時間)というものがある人もいます。もし、あなたが free time がある人なら、本当に幸せ者です。多くの人にとっては、 free time は品薄ですから。忙しい人たちは、同じような不平を言うでしょう。「時間は、持つことのできないぜいたくだ」 ("Time is a luxury I cannot afford.")  時には、あなたの free time は待ち時間から生まれたものかもしれません。こういう時には、あなたは「時間をつぶす」 ("kill time") 必要が出てきます。つまり、待っている間に、何かすることを見つけなければいけません。

 時がたつことは、必ずしも悪いことではありません。ことわざは、悲嘆やそのほかの心の傷の痛みへの慰めを与えてくれます。「時が解決してくれる」 ("Time heals all wounds.") この知恵の大きな部分は、私たちは最後にはすべてを消してしまう時間の力を受け入れなければならないという単純な考え方から来ています。別のことわざでは、人間はみな「借りた時間のなかに生きている」( We are all living "on borrowed time." )と言います。つまり、人生というのは、図書館から借りて、いつか返さなければならない本のようなものだという意味です。

 私たちが時間を、ずっと流れていく川のようなものとして感じたり、あるいは地平線をすばやく飛んでいく鳥のようなものとして(「時のたつのは、何と早いのでしょう!」 ("Oh, how time flies!") 感じるとしても、私たちは人生の中で時について考えるときが必ずあります。時が私たちを連れてきてくれた場所で、そしてこれから連れて行ってくれる場所で。そして、時計の時間を合わせて、バスの時間をチェックします。いろいろなことに、時間通り顔を出さなければなりません。しかし、人生はただ急げばいいというものではありません。ときには「心地よい時を楽しむ」 ("Take your own sweet time.") ことも必要です。つまり、立ち止まって、バラの香りを楽しむということですね。

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