人間文化基礎演習?

中西 茂行

 この授業は、1年生を受講対象として昨年度から開講された科目である。授業目標は、社会学とりわけ社会意識、文化社会学分野に関する関心を引き出すことにある。授業では、抽象的、体系的理論について学ぶより以前に、まず、身近な<モノ><コト>に眼を向けるように指導している。そこから人間の生活・社会・文化へと視野を広げる視点が培われれば授業目標はとりあえず達成されたこととなる。

 使用テキストは、昨年度、本年度と鵜飼正樹・永井良和・藤本憲一編『戦後日本の大衆文化』(昭和堂、2000年)である。目次を列記すると、「戦後日本の大衆文化を考えるために」「学校給食」「冷蔵庫」「ファミリーレストラン」「結婚式と披露宴」「子ども部屋」「ゴールデンウィーク」「ペット」「健康法」「化粧」「野球」「海外旅行」「大道芸」「写真」「大衆文化のとらえ方」という構成である。

 前期授業では、各章を二人の受講生がそれぞれにまとめ(レジュメ作成)一人が発表し、もう一人が補足説明をするという形式を取った。その後フリーディスカッションである。

 夏期休暇中に「テキストの内容に関連する文献を一冊読みその概要をまとめること」という課題を出した。

 後期、休み明け、各人がその本の紹介を行った。受講生9人の読んだ本は「ペット、介助犬、アニマルセラピー、災害救助犬、ロボット犬」等に関する図書が6人と多い。他の二人は「野球、サッカー」であり、もう一人は金沢という都市の伝統に関するものであった。

 11月から学期末レポート作成の指導をする。本年度は、「人間の生活と動物」という風な共通テーマでのレポート共同作成も可能かも知れない。共同研究であれ個人による単独のレポート作成であれ、文献を読むなり資料を整理するなりの作業を地道にすることの重要性を受講者に伝えたい。

受講生のコメントより

小堀 喜信
「この授業は与えられたテーマについて、みんなで話し合う(ディベート)のですが、人それぞれ違った性格や感性があるせいか様々な意見が出ておもしろいです。それに、中西先生は社会学専門なので、時折社会学の視点からテーマについて話し合うのがユニークです。また、与えられたテーマについて2人がそれぞれレジュメを書くので、見比べたりして意見を述べたり、自分のレジュメに不足しているものを次回のレジュメづくりに活かすなどし、レジュメ作りが上手くなります。」
関根 明
「人間文化基礎演習は少人数で行う授業なので発言するチャンスが多く、とても楽しい授業です。内容は身近なものについてのことなので興味深いことばかりで勉強になります。」
長田 隆平
「暮らしや遊びといった大きなテーマから学校給食や海外旅行などの具体的テーマまで扱い、それらが人びとにどのような影響を与えあってきたのかを少人数で考察する授業です。時代と共に、ひとびとの生活の変化を担う文化が形成されていく過程を知ることが出来る有意義な授業です。」
林 千勢
「この授業は、人数が少ないせいか、いつもほのぼのした雰囲気です。みんなよく発言するし、どちらかというとグループで会話をしているような感じです。私たちは今、昭和の文化について勉強をしていますが、授業を進めているとクラスの人からその話題についていろいろな話が飛び出すので聞いていて楽しいです。」
中村 厚太
 「戦後から現在に至るまでの文化の変化は様々な事情が要因となっています。クラスメイトと変化の過程を調べたり話し合ったりすることで意外なことが判ったりものごとがより詳しく判明したりして関心が大きくなります。」
村本孝太
「このクラスはすごく意見がよく出て楽しくよいクラスだと思います。せっかく少人数なのに、皆、あまり意見を言わず、静かになってしまうこともよくある中、このクラスだけは毎回多くの意見が飛び交い時には脱線してしまうこともあるけれど最終的には程よくまとまります。中西先生が電子手帳を片手にプラスアルファの情報を教えてくださるのも楽しみのうちの一つであります。」
新保晴夫
 「この授業では、先生が何人かの学生にレポートを課し、そのレポートに沿って先生を含むみんなで討論していくというものです。同じ題であってもその人その人の観点の違いで、必ずしもみんな同じ考え方ではないので、それぞれの意見を言い合って一つの結論を導くと言うのがとても面白いと思います。」
W・X(匿名希望)
「他の授業よりはかたくないのでやる気が出ます。実は結構恥ずかしがりやですぐ赤くなるので中学のとき“かわいい”とか言われていました。でも人と話すのは苦手ですぐ照れてしまいます。人間文化基礎演習の授業に出るようになって少しは話せるようになったと思いますーーー。」

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